東京スカイツリーを支える鼎(かなえ)とは?ちょっとレアな体験ツアーに参加してみました

街歩き・観光
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東京メトロ・都営浅草線の押上駅、東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅から直結の東京スカイツリー。天望デッキや天望回廊に続く、ガラス無しで鉄骨越しにみる景色が人気のスカイツリーテラスツアー。このツアーが天候不良などで中止になった時だけ実施される「構造ガイドツアー」に参加してみました。
中でも、強風で中止になった際には、雨に濡れることなく、このツアーを満喫できるので、かなりレアなんです。

小学生以上の各回定員25名で約40分、料金は1,000円です。

受付を済ませ、荷物をロッカーに預けます。カメラやスマホを持って準備ができたら、スカイツリーの専用のベストやヘルメットを選んで、構造ガイドツアースタートです。

通常、東京スカイツリーの足元は、ガラス越しでしか見ることができませんが、この構造ガイドツアーでは、ガラス無しで見られるのが醍醐味です。

まずは、東京スカイツリーを支える鉄骨の一番大きな鋼管(直径2.3m、厚さ10cm)を水色の輪の原寸大再現で実感。

世界のタワーやteamLabの作品でもある「隅田川デジタル絵巻」の解説を聞き、いよいよスカイツリーの足の見学へ。

このドアの向こうに向かいます。

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ドアを開けると、東京スカイツリーを支える3つの鼎(かなえ)のうちの1つ、西鼎(にしかなえ)を生で見ることができます。

鼎(かなえ)というのは、中国古代の器の一種で、鍋型の器に3本の足が付いている土器や青銅器に由来し、3という数から3人での会談を鼎談(ていだん)と表したりするそうです。

一際大きい塊の鉄骨は、最初に据え付けられたもので、3本の鋼管を4人の職人が3日間かけて溶接しました。

素人目には分かりませんが、東京スカイツリーの建設には一流の職人が集められただけあって、この溶接はすごい技術なのだそうです。

一般的な高強度鋼管と言われる鉄骨の2倍近くの強度を誇る鉄骨が使われており、根元は3本脚の三角形でタワーの上部は円形になる複雑な設計であることから、全ての鋼管はボルトなどでの固定ではなく、見た目にも綺麗に仕上がる溶接工法が採用され、熟練の職人が全て手作業で溶接したそうです。あちらこちらに溶接の跡を見ることができますよ。

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この西鼎の真ん中に立って見上げると、たくさんの三角が見えます。スカイツリーは、鋼管を三角形に接合していった頑丈なトラス構造です。トラス構造は橋や鉄塔、クレーンなどに使われることが多く、軽くて丈夫なのです。東京タワーや東京ゲートブリッジもトラス構造です。

構造ガイドツアーが始まってから、床には色々なチェックポイントが書いてあるそうなのですが、中でもこの「そり」と「むくり」は特に要チェック!

ここから見上げるとスカイツリーの「そり」と「むくり」を一度に見ることができます。ちなみに「そり」は日本刀に見られる反りから、「むくり」は寺院建築のふくらんだ柱に由来しています。

ここでは鉄骨に触れたり抱きついたりしてOKです。

ライトアップに欠かせない照明は、オリジナルのLED照明で2,075台(2018年10月現在)設置されています。開業当初は「粋(いき)」「雅(みやび)」の2種類でしたが、新たに「幟(のぼり)」が追加され3種類のライトアップとイベントごとのスペシャルライトアップが楽しめます。

この赤い輪っかは一体!?
東京スカイツリーは塔自体が避雷針となり落雷を受けても大丈夫なのですが、年間平均10回程度の落雷を受けており、研究のため、この1階と地上497mに雷電流観測装置(ロゴスキーコイル)という、この赤い輪を設置し、電力中央研究所と共同で貴重な研究を行なっています。後から設置したせいか、ブロックに木を組み合わせ針金で固定した、何とも簡易的な設置のような気もしますが、既に数年間このままなのだそうです。

屋内に戻って、構造ガイドツアーの最後に待っているのは、東京スカイツリー建設工事立柱安全祈願の金銀の工具を拝めます。触れることはできませんが、現在は、このツアーでしか見ることはできないようですよ。

これでこのツアーは終了です。スタッフの方々も親しみやすい方達で、とてもレアな体験ができました。

東京スカイツリー
東京都墨田区押上1-1-2
1F スカイツリーテラスツアーカウンター
実施日:平日(土日祝日・特定日を除く)にテラスツアーが天候不良等で開催できない場合で構造ガイドツアーが実施可能な場合のみ